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新型コロナの影響により、エンタメ業界を始めとした多くの文化活動が大きく影響を受けている中、ファッションと音楽で世の中を少しでも明るくしたいとの思いから、
史上初フルバーチャル空間によるファッションショー&ライブイベント「Tokyo Virtual Runway Live by GirlsAward(以下:TVRL)」が2020年6月27日にオンラインで開催されました。

これまでは無観客やライブ配信という形でのファッションショーやライブは実施されてはいましたが、完全なバーチャル空間での実施は初めての試みです。
フル3DCGで製作されたランウェイステージとリアルを掛け合わせたバーチャル空間を作り、視聴者やネットユーザーを取り込んだ臨場感のあるリアルタイムイベントとなりました。

ピンクのスポットライトがランウェイステージを照らし、客席にカラフルなサイリウムが浮かび上がるなか、多くのモデルやタレントがフルバーチャル空間のランウェイに続々登場しました。

3DCGのリアルタイム合成

Photo:ロボスタ

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3DCGのリアルタイム合成の技術自体は元々、海外のニュース番組やeスポーツイベント等の制作場面でよく使われていて、日本国内のエンタメコンテンツで大々的に使われたのは初めてだそうです。

今回のTVRLで活用されている、カメラにセットアップしているトラッキングシステムとソフトウェアの技術は元々トルコで開発されたもので、CyberAgent子会社のCyberHuman Productionsが日本国内で一番最初に導入しました。
リアルタイムで人と3DCGを合成するのは難しく、またこのシステム自体も日本に数台しかなく、使えるエンジニアも日本にまだ数名しかいないそうです。

普通のシステムでリアルタイムにCGと合成しようとすると、背景は上から貼ったような形で動かないままで、カメラを移動させても、背景は動かずに人だけ角度が変わり、CGの上に人がベタッと乗っているような映像になってしまうそうです。]

しかしこの技術を使えば、奥行のある演出や、金属や鏡面への人物の映り込みまで再現することが出来るので、視聴者がCGの世界に入り込んだような気持ちになれる、没入感のある演出が可能になります。

またリアルタイムでのCG合成が可能なので、出演者は自分が今どういう状況なのかをモニターの返しで確認できるのも利点です。

まとめ

リアルタイムでの3DCG合成を活用することで、リアルのイベントでは不可能な表現を、新しい技術で自由に出来ることを示したイベントでした。
日本ではまだまだ浸透していない技術ですが、コロナ禍や5Gの進化によって、このような新しい技術を活用した「TVRL」のようなイベントが今後の主流になっていくのかもしれません。

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