映像技術が発展し、プロジェクションマッピングなど様々なデジタルアートが日々生まれている現代。最新のテクノロジーによって作られる様々な幻想的映像が世界中で展開され、そのなかでも、来場者の動きに合わせて変化していく演出など没入感の高い非日常的空間を作り出す演出方法は多くの人々を魅了しています。

日本では最新技術を使ったデジタルアートとして「チームラボ」が有名ですよね。

今回は世界のデジタルアートの中でも「環境」と連動するという点において異彩を放つ、シンガポールの「Magical Shores」についてご紹介します

Photo:1→10.Works

Magical Shores

Photo:1→10.Works

Magical Shoresはシンガポール初の常設型デジタルアートとしてセントーサ島シソロビーチで展開されています。演出を担当しているのは日本とシンガポールに拠点を置くテクノロジー企業「ワントゥーテン」。

自然本来の美しい環境と共鳴するサウンドと映像や光、人工の霧を駆使した演出でシソロビーチ砂浜全長400mを彩ります。セントーサ島に訪れた人たちはシソロビーチの環境と共鳴しているデジタルアートの演出効果で、まるで生きた孤島に足を踏み入れたような感覚になります。

さらに、このMagical Shoresでは、観客をもっと驚かせる魅力的な演出がいくつも仕掛けられています

クリエイティブAIによる演出変化

Photo:Forbus

AI_演出_ビーチ

Magical Shoresでは、なんと!毎日・毎時で演出が変化しています。演出を変化させているのは、独自開発されたAI技術です。シソロビーチ周辺の天候や気温などの環境データをもとにAIが最適なライティングや映像、音などを組み合わせています。またAI技術はシソロビーチ内に設置されたセンサーで来場者の「ゆったり」「活発」などの状態や活動具合を読み取り、それらのデータを統合することで演出を変化させることができるそうです。

人の動きと連動するインタラクティブエリア

Photo:Forbus

演出_連動_インタラクティブ

インタラクティブエリアと呼ばれる来場者の動きと連動して演出変化する場所では「生命の循環」を描いた演出が展開されています。「生命の循環」の演出では、銀河の爆発で世界が誕生することをイメージしたものをはじめ、生命が分裂・再生を繰り返す様子を様々な効果で表現されていて、来場者が参加できる演出として見応えのあるものになっています。

自然と共鳴するサウンド

Photo:Forbus

Magical Shoresでのサウンドデザインを担当したのは高木正勝氏とKuniyuki Takahashi氏のお二人です。

高木正勝は「おおかみこどもの雨と雪」などの映画音楽に加え、映像分野でも活躍しているマルチアーティスト。

Kuniyuki Takahashiは札幌を拠点に活動し、海外でも高い評価を得ているDJ兼音楽プロデューサーです。

二人によって作られた深みのあるサウンドが、セントーサ島でフィールドレコーディングされた自然美しいサウンドと共鳴することで映像や光の演出を一層際立たせています。

自然×テクノロジー×人

環境と演出が連動する最新デジタルアートついてシンガポールのMagical Shoresの例をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

自然、人、技術が組み合わさる演出がセントーサ島の魅力を一層際立たせているのは、驚きですよね。

日本のみならず世界においても、施設内で展開されるマッピング演出は多いですが、ビーチなど自然をキャンバスに展開するものはあまりありません。

今後、自然とテクノロジーを融合した取り組みが増えていくのかもしれませんね。

どんな魅力的な空間演出が誕生していくのか、とても楽しみです!

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